はじめに
2019年から始めた丹波篠山の黒枝豆づくりも、ついに7年目を迎えました。毎年この季節になると、あの独特の緊張感と期待が胸に宿ります。今年もまた、太陽との真剣勝負が始まります。
6月12日 播種 〜希望の種を大地に託して〜
梅雨入り前の穏やかな朝。手のひらに収まる黒い種子を見つめていると、この小さな粒の中に秘められた可能性に胸が躍ります。一粒一粒、丁寧に土の中へ。深すぎず浅すぎずという作業ですが今年は時間が取れずに地主のTさんが代行してくれました。感謝です。
6月29日 補植と土寄せ 〜炎天下での格闘〜
そして迎えた6月29日。天気予報が「真夏日」を告げる中、畑に向かう足取りは重かった。畑に到着時間は正午、すでに陽射しは容赦なく照りつけています。地域の方々は、お昼の休憩に入ったタイミングです。
補植作業 〜空いた場所への新たな命〜
発芽しなかった箇所を見つけては、新しい苗を植え付けていく。膝をついて土を掘り返すたびに、額から流れる汗が土にぽたぽたと落ちていきます。日陰一つない畑の中で、帽子のつばから滴る汗が目に入り、思わず立ち上がって空を仰ぐ。
「この暑さ… たまらん」
それでも手は止められません。一つ一つの苗が、秋の収穫への希望なのですから。

土寄せ作業 〜クワとの対話〜
続いて土寄せ。クワを握る手に力を込めて、株元に土を寄せていく。この作業が黒枝豆の根を強くし、倒伏を防ぐ大切な工程。しかし、真夏日の太陽の下では、まるで灼熱地獄での修行のよう。
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クワを振り下ろすたびに、シャツが汗でべっとりと背中に張り付きます。足元の土は乾燥してカチカチ。普段なら軽々と崩せる土塊も、今日ばかりは手強い相手でした。
「ガツン、ガツン」とクワの音が響く中、時折吹く風が天からの恵みのように感じられます。
雑草取り 〜終わりなき戦い〜
最後の難関は雑草取り。この時期の雑草の生命力は凄まじく、放っておけばあっという間に黒枝豆を覆い尽くしてしまいます。
腰をかがめて一本一本抜いていく作業。真上から降り注ぐ陽射しが首筋を刺すように熱い。汗が目に入り、視界がぼやける中でも手だけは動き続けます。
「プチッ、プチッ」と雑草の根が切れる音。この音は、まさに快感です。


作業を終えて
午後4時、やっと半分の作業が終了。Tシャツは汗でびっしょり、帽子の中は湿気でムレムレ。足元はよろめき、喉はカラカラ。
それでも、整然と並んだ黒枝豆の苗を見渡した時の満足感は何物にも代えがたいものがありました。青々とした葉が微風に揺れる様子は、まさに希望そのもの。
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7年目の想い
7年前、初めて黒枝豆づくりに挑戦した時の不安と期待。失敗を重ねながらも学んできた土作りのコツ、苗の見極め方、天候との付き合い方。
真夏日の厳しい作業を終えた今、改めて感じるのは農作業の奥深さと、自然と向き合うことの尊さです。炎天下での作業は確かに厳しい。でも、それを乗り越えた先にある収穫の喜びを知っているからこそ、今年もまたこの畑に立っているのです。
今日のまいどあり⤴️
秋の収穫まで、あと数ヶ月。黒枝豆たちがどんな成長を見せてくれるのか、今から楽しみでなりません。
次回は7月の管理作業の様子をお届けします。今年の黒枝豆づくりの物語は、まだ始まったばかりです。