2025/5/3に開催された屋外コンサートに行ってきました。
自宅から車で六甲山ケーブル駅まで車を走らせ六甲ケーブル下駅で車を駐車しケーブルカー10分乗車し六甲山ケーブル山上駅に移動しそこから北へと足を進めていました。約15分ほど歩くと、木々の間から柔らかな音色が漂ってきます。そう、今日の目的地は「ハルモニアKOBE 六甲山 森のステージ」—ヴァイオリニスト、マウロ・イウラート先生の自宅敷地内に設けられた特別な野外コンサート会場です。




▼こちらが六甲ケーブルのホームページです。六甲山へのアクセスや山上での楽しみ方に利用料金が確認できます。
自然と音楽が織りなす至福の時間
会場に着くと、そこには想像以上の光景が広がっていました。若葉の緑が鮮やかに輝く木々に囲まれ、まるで森の精霊たちが作り上げたかのような小さな野外ステージ。桜の木にも若葉が顔を出し始め、春から初夏への移り変わりを感じさせます。
客席に腰を下ろすと、頭上では葉擦れの音が心地よいリズムを刻み、遠くでは小鳥のさえずりが聞こえます。まるで自然が奏でる前奏曲のよう。都会の喧騒を忘れ、全身で森の息吹を感じる贅沢な時間が始まりました。
五感で味わう音楽体験




13時、マウロ・イウラート氏とジュゼッペ・マリオッティ氏が登場すると、会場は温かな拍手に包まれました。ヴァイオリンとチェンバロという古典的な組み合わせながら、開放的な野外空間では全く新しい表情を見せます。
演奏が始まると、音色は森に溶け込み、木々の間を縫うように響き渡りました。閉じた空間では決して味わえない、音楽と自然の完璧な調和。微風に乗って運ばれる繊細な音の粒が、聴く者の心に直接語りかけてくるようでした。
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特に印象的だったのは、曲間の「沈黙」の美しさ。都会のコンサートホールでは味わえない、鳥のさえずりや風の音が自然な間奏として挿入される贅沢。演奏者も観客も、自然を第三の演奏者として尊重し、共演しているような一体感がありました。
音楽に彩られた特別な一日
演奏に聴き入る人々の表情は実に様々でした。目を閉じて音に集中する方、空を見上げながら音楽と風を同時に感じる方、メモを取りながら熱心に聴き入る音楽学生らしき若者。それぞれが思い思いのスタイルで、この特別な時間を過ごしています。
休憩時間には、新緑の間から覗く六甲山の景色を眺めながらのひととき。知らない方との会話も自然と弾み、音楽が人と人とを繋ぐ架け橋になっていることを実感しました。


またここで音楽を—
約2時間の演奏があっという間に過ぎ、最後の音が森に溶け込んだ後の拍手は、いつもより長く、温かいものでした。聴衆は皆、この特別な体験を名残惜しむように、なかなか席を立とうとしません。
帰り道、私は考えていました。コンサートホールの整った音響環境も素晴らしいけれど、時には虫の声や風の音、遠くの鳥のさえずりをBGMに音楽を聴く経験もまた、心に深く刻まれるものだと。
来年のゴールデンウィークも、ぜひこの「森のステージ」に足を運びたいと思います。季節の移ろいと共に変化する自然の中で、また新たな音楽体験を味わうために。
六甲山の新緑と音楽の調べは、都会の喧騒で疲れた心を癒し、新たな活力を与えてくれました。この素晴らしい「森のコンサート」を企画してくださったハルモニアKOBEと、素敵な演奏を聴かせてくださったマウロ・イウラート氏、ジュゼッペ・マリオッティ氏に心から感謝します。
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演目は
A.タルティーニ:ソナタト短調「捨てられたディド」
J.S.バッハ:平均律クラヴィーア曲集 第2巻第15番 前奏曲とフーガBWV884ト長調
J.S.バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV903
A.コレッリ:ラ・フォリア
今日の毎度あり⤴️
コンサートの後、会場から4月にオープンしたヴォーリーズコテージに足を伸ばして遅めのランチをしてきました。久々のゆっくりとして山歩きでない文化的な休日になりました。


▲ヴォーリーズコテージのインスタグラムです。